うみがめ第3号

うみがめ第3号

『こころって、何だろう 生きることのすばらしさ』 院長 春山康久

『兄は日本脳炎にかかり、手足は硬直し、言葉を奪われ、まったく寝たきりのオムツの生活になった。言葉を奪われて、考えているのかいないのかわからない状態になった。でもその兄によって、私たちがいろいろ考えたり兄と話し合った―直接話し合ったわけではないけれど、兄とこころで会話をしていた。母は、辛い時や何かあった時に「次郎さんどう思う?」と兄と話していた。兄にもこころは絶対あったと思うんです。泣いたり笑ったりしていましたし、あれもこれもできないことは多かったけれど、こころがあることによって人間として生きている。本当に人間の生きているすばらしさだと思ったのです』

これは女優の檀ふみさんが全国重症心身障害児(者)を守る会会長北浦雅子さんとの対談の中で述べられたものです。重心児の兄は喋れなかったけれどこころがあった。家族は兄とこころで会話をかわした。兄はこころがあることによって人間として生きていた。檀ふみさんは兄を通じて本当の人間の生きているすばらしさを感じとられたそうです。こころは目でみることはできません。こころは感じるもの、伝わってくるもの、そして見つけるものだと思います。こちらに見つけるこころがなければ重心児(者)のこころは見つけられません。施設の職員のみなさんには重心児(者)とこころの会話が出来る人であってほしいと思います。

うみがめ第3号(PDFファイル)

  1. 松かぜ~作品ギャラリー~
  2. 院長コラム・医局長あいさつ
  3. 病院病棟紹介
  4. 外来診療日程表
  5. リハビリテーション
  6. 療育活動紹介
  7. 院内行事紹介・編集後記

2010.05.01

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