社会福祉法人 愛泉会日南病院

広報誌:うみがめ

うみがめ第4号

投稿日:2010.12.1

うみがめ第4号「待つ」ということ 院長 春山 康久

「できるだけ早く、目に見える成果を」出そうとする子育て。それを成功している教育が善しとされる風潮。「待てない教育」、「待てない子育て」が、今、この国に蔓延しつつあると思えてならない。これは、「待てない時代にどう育てるか~人間教育を育てるもの~」というタイトルで当時恵泉女学園(東京都)の校長をされていた安積力也先生の言葉です。本来子どもは「桃栗三年柿八年」なのに、「出来るだけ速く、目に見える成果を上げる教育」を親も教師も求めてしまう現状に問題提起をされたものであり、子どもの「内発性*」が育つためには「待つ」ことが必要であると言っておられました。

先の重症心身障害療育学会に出席し、重症心身障害児(重心児)とのコミュニケーションづくりで「待つ」ことの意義を発表した報告を聴く機会がありました。重心児との関係において、重心児の反応を待つべき時に焦って次の言葉をかけてしまう。重心児とのやり取りのなかで、重心児の反応を待つことで重心児の自発性が誘発され、表現の変化や伝達手段が獲得できたという報告でありました。

政治や経済の領域では待てない、即断を求められることもありますが、ふたつの出会いから教育、療育の現場では「待つ」という姿勢が必要で、待つことで育つもの、待たなければ育たないものがあるということを教えられました。

うみがめ第4号(PDFファイル)

  1. 松かぜ
  2. 院長コラム・医師紹介
  3. 病棟・外来紹介
  4. 療育活動紹介
  5. 診療科新設のお知らせ
  6. 各病棟行事
  7. 編集後記

うみがめ第3号

投稿日:2010.5.1

うみがめ第3号『こころって、何だろう 生きることのすばらしさ』 院長 春山康久

『兄は日本脳炎にかかり、手足は硬直し、言葉を奪われ、まったく寝たきりのオムツの生活になった。言葉を奪われて、考えているのかいないのかわからない状態になった。でもその兄によって、私たちがいろいろ考えたり兄と話し合った―直接話し合ったわけではないけれど、兄とこころで会話をしていた。母は、辛い時や何かあった時に「次郎さんどう思う?」と兄と話していた。兄にもこころは絶対あったと思うんです。泣いたり笑ったりしていましたし、あれもこれもできないことは多かったけれど、こころがあることによって人間として生きている。本当に人間の生きているすばらしさだと思ったのです』

これは女優の檀ふみさんが全国重症心身障害児(者)を守る会会長北浦雅子さんとの対談の中で述べられたものです。重心児の兄は喋れなかったけれどこころがあった。家族は兄とこころで会話をかわした。兄はこころがあることによって人間として生きていた。檀ふみさんは兄を通じて本当の人間の生きているすばらしさを感じとられたそうです。こころは目でみることはできません。こころは感じるもの、伝わってくるもの、そして見つけるものだと思います。こちらに見つけるこころがなければ重心児(者)のこころは見つけられません。施設の職員のみなさんには重心児(者)とこころの会話が出来る人であってほしいと思います。

うみがめ第3号(PDFファイル)

  1. 松かぜ~作品ギャラリー~
  2. 院長コラム・医局長あいさつ
  3. 病院病棟紹介
  4. 外来診療日程表
  5. リハビリテーション
  6. 療育活動紹介
  7. 院内行事紹介・編集後記

うみがめ第2号

投稿日:2009.12.1

うみがめ第2号院長あいさつ『障生』と『チャレンジド』 院長 春山 康久

最近、NHKテレビの土曜ドラマ「チャレンジド」の第1回を観ました。中学の熱血教師が突然の病いで失明するが、教職への夢があきらめきれず再び教壇に立ち、生徒たちに人を愛することの大切さを教えていく話です。番組の中で盲目の現教師が「障がい」という言葉の代わりに、「障生」という言葉を使っていました。「障生」と耳慣れない言葉でしたが私なりにその意味を考えてみました。障害はあるけれども一人の人間として社会に役にたちたい、社会の一員として係わって生きたいというポジティブな訴えを感じました。

アメリカでは障害者を「チャレンジド」と呼び、挑戦する使命を与えられた者、神様から挑戦するという運命を与えられた人たち、というポジティブな意味が込められているそうです。挑戦者という意味の「チャレンジャ―」ではなく、なぜ「チャレンジド」と受け身形になっているのか疑問に思っていましたが、前宮城県知事の浅野史郎氏が「神様から挑戦すべき課題や才能を与えられた人達」という積極的な思いが込められており、いろいろなハンディキャップを神様から与えられて試されている、いわば神様から選ばれた人達と考えれば良いと説明されていました。選ばれた人達だから「チャレンジド」、なるほどと思いました。最近目にした「障生」と「チャレンジド」、障害はハンディではないということでしょうか。それ以来障害者及び施設に対する私の見方が変わってきました。これまでは障害者は施設という限られた場所で社会から隔離され、援助を受け、守られているという受け身の存在であるように思っていましたが、これからは受け身の姿勢から脱却し、一般社会との共存を考える時代に来ているのではないのかと思うようになりました。共存社会での施設の役割は何か、与えられるだけではなく何が与えられるか、皆で考えていきたいと思います。そのために施設で働く職員の皆様が障害者の手となり足となり、そして光となって一緒に歩んで欲しいと思います。足りない部分を補い合う、それが人の社会だと思うからです。「光は闇に輝く」これは三浦綾子文学記念館(旭川市)を訪れた時に目に留まった色紙に書かれていた言葉です。

うみがめ第2号(PDFファイル)

  1. 松かぜ
  2. 院長・看護部長あいさつ
  3. 病院紹介
  4. 風田浜のかめさんたちのレポート
  5. 夏祭り
  6. 療育について
  7. 院内行事紹介・編集後記

うみがめ第1号

投稿日:2009.5.1

うみがめ第1号

理事長あいさつ『初刊によせて』 理事長 西島 英利

国立療養所日南病院から移譲を受けて愛泉会日南病院になって早いもので7年が経ちました。はじめの頃は「医師の確保ができない」、「赤字体質」を変えることができるのか」など課題が多くあったのですが、職員の一人ひとりが大変な努力をし、意識も変えてくれて、今は良好な状態で病院経営を行っています。

平成16年4月1日からは重症心身障害児の医療のスペシャリストとして大堂院長を迎え、特に理学療法や作業療法などのリハビリテーションを重視した医療を展開し、患者さんの状態も改善傾向がみえてきました。「民営化されると医療の質が落ちる」と保護者の方々の不安が強かったのですが、今では高く評価していただくようになりました。今後は在宅療養を支援する体制づくりに着手し、患者さんが安心して地域で生活することができるように力を入れていきたいと考えています。一般病床についても初期の目的である脳卒中のリハビリを重視した回復期リハビリ病棟の開設に向けて努力したいと思っています。

今年4月1日付けで大堂院長から春山康久院長に交代しました。春山院長は県立日南病院の副院長をしておられましたので、県立病院との連携もスムーズになるのではないかと期待しております。大堂先生にも引き続きご指導いただき、より一層の医療の質の向上と充実に全力を挙げていく決意です。皆様方の御理解と御支援をよろしくお願いいたします。

うみがめ第1号(PDFファイル)

  1. 松かぜ
  2. 理事長あいさ
  3. 院長あいさつ
  4. 病院紹介
  5. 療育活動紹介
  6. 年間行事
  7. 編集後記
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